東北地酒横丁
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2007.05.29(tue)

◆ふるさとの酒-その9
 
水沢「くくり雛」の季節

 
 この時期は世の中、雛まつりである。
 ふるさとの酒。今回は岩手の水沢に行ってみた。丁度水沢の町も、春を告げる「くくり雛まつり」で賑わっていた。「くくり雛」とは「押し絵」の技法で作られた雛人形のことで、水沢地方独特の呼び名である。展示場所は、駅前通り商店街を中心に、歴史的旧家や商店に展示される。俺も毎年おじゃまする店が決まっているのだが、今回は少々道草を食いながら行ってみることにする。 
 まずは大通りから外れて少し中へ入ってみる。昔からの飲み屋が立ち並ぶ。
「リス」(photo-1)という名のおでん屋が俺は以前から気になっている。そして長光寺入口。俺はある年の1年間、月一で、彼女(この木photo-2)に会いに通ったことがあるのだ。初めて会った時、すごく慰められたからだ。また、この「めがね橋」(photo-3)もいい感じなのだ。路地を抜ける途中、子供らの書いた落書きを発見した。なんか懐かしいな。
(photo-4)
 ギャラリー梅小花さんの“春待ち展”なるものを見学。薬箪笥がいい感じです(photo-5)。店を出て歩きだすと、くくり雛ガイドに率いられたおばさま達と遭遇。今年ガイドサービスを始めたんだな。それを横目に歩いて行くと、水沢の造り酒屋、「天瓢」前に出た。そして特選京呉服・織はらさんへ(photo-6)。今年もよろしくお願いします。
くくり雛(photo-7)は厚紙の部品の上に綿をのせて、布で包み組み合わせて押し絵に仕上げるのだ。水沢地方では、綿を布で包むことを「くくる」と言うから「くくり雛」と呼ばれているのだ。起原は江戸中期にさかのぼり、その後水沢の画人、砂金竹香が婦女子の教育のため広め、明治から大正時代に盛んに作られた。また、題材も内裏雛や三人官女、五人囃子のほかに、歌舞伎やおとぎ話なども題材としているのだ。この“織はらさん”では、享保年間の芥子雛も展示していた。織はらさんを後にして、また道草をしながら歩いていくと、高野長英旧宅があった。高野整形外科って、彼に関係があるのかな・・・。少し疲れたからいつもの茶店でコーヒータイム。この“再会・蔵”さんは茶店とギャラリーを兼ねているのだ。(photo-8)常連さんでふさがっていて、俺は座ったことがない。一度誰もいないのを確認して、カウンターに座ろうとした時だった。やんわりとテーブル席をすすめられてしまった。この店のカウンターの常連さんは、大抵がこの近所のおばさんって感じの人達なのだ。一息ついたところで“陸中一の宮・駒形神社”へ。俺はいつも裏参道から向うことが多い。(photo-9)ちなみに、参道入口にある“すわだんご屋”さんのおだんごは、地元の人に人気の店で、奥州屋も大のファンである。駒形神社では今年初のおみくじを引いた。中吉と出た。
 神社近くで見かけた標識(photo-10)。もちろん俺は奥州街道へ。さて、本日の酒だが、やはり“天瓢”さんの酒を外すわけにはいかないだろう。その酒なんだが、今回この町の酒屋さんは休業の店が多く、かろうじて駅にほど近い“Maple”に出店しているJoisで購入することにした。で、俺はこれまでにふるさとの酒で岩手の酒をいくつか取り上げてきたわけだが、正直、酒を紹介するというよりは、個人的には岩手の蔵を紹介したというか・・・。まっ、どっちにしてもお酒紹介しているからいいかな。そんなわけだから取り上げるサイズも色々なんだよ。まあ、基本的には純米は外さないがね。それで今回はじっくりお店を回ったわけじゃないから、いつもよりちっちゃいサイズで、ど〜ぞ!
「天瓢 特別純米生貯蔵酒」(photo-11)だ。岩手県オリジナル酒造好適米「ぎんおとめ」60%精米。日本酒度+3.0。この酒は以前にも何度か取り上げたこと(コラム中に登場した)があり、食中酒としていいだね。香りは穏やかで口あたりはやわらかいが、しっかりした、うまみも感じられる純米だ。普段の家庭の食卓にでてくるようなおかずとは好合性だ。いまからの季節だと、山菜と使った料理とか、子供さんのいる家庭でよくつくる、ハンバーグやカレーといった料理にまで、なかなかの合性をみせてくれるのだ。ちなみに俺は、ロールキャベツと合わせるのが好きだ。夏は薬味を工夫して、そうめんや、そばとこの酒をキンキンに冷して合わせるのが大好きなのだ。なかなか地元でないとこの酒を見つけることはないと思うが、こちらの方へおいでになった時は飲んでくださいまし。
 俺は山形の和美ママの店で一度見かけたこの蔵の大吟「蒼天」も今度飲んでみようと思っている。見るからにすごそうな、大吟のオーラが俺には見えたんだ・・・。ン?
 では、本日はこれにておしまい。次回は四月を通りこして、五月は、春酣の弘前にて、ふるさとの酒をおおくりいたします。

   二十一代 奥州屋でした。
※和美ママは水沢の出身です。
 
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Profeel
利酒師奥州屋さんのお話を連載します。 利酒とは酒の香り、味、出来を利きわけること。蔵元に通い酒造りのお話を聞き、お酒の声を聞くこと。お客様の御注文に合ったお酒を選ぶこと。利酒師はキキ手であり、キキ耳をもっていなければなりません。
Current List
●‘07年の小旅

◆ふるさとの酒
●その1-花泉 磐乃井 純米吟醸
●その2―盛岡への小旅

●その3-宮古へ
●その4-じゃじゃ麺といえば!盛岡の旅だぁ!
●その5-端麗とコクがうまく調和した“関山・純米吟醸”
●その6ー南部美人・特別純米酒
●その7ー廣喜 活性生原酒 純米にごり南部初雪生原酒
●その8-“浜娘・吟醸酒”
●その9-水沢「くくり雛」の季節
●その10-桜の季節―大館→弘前への小旅
●その11-秋田美人かラーメンか
最終回
 わたくし、本日も未熟者です


◆元旦恒例!!ひとり小(ちい)旅

●その1
●その2
●その3
●その4
●その5

◆奥州屋お江戸にのぼる
 カップ酒探検!

●その1
 塩釜編

●その2
 花のお江戸の夜はレモンハートで

●その3〈最終編〉
 ああ、波乱万丈のワンカップ探検!
 おっと地震だあっ



◆こんな注文!有り?

●クリスマス料理に合う日本酒ってありますか。
●いろいろなお酒があって、どんなお酒を飲んだらよいか、わかりません。
●ワンカップ片手に利酒師は行く
●こんな季節にスキッと飲む日本酒ってありますか?
●暑気払いに手軽で楽しいお料理とお酒ってありますか。
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