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2007.05.07(mon) |
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長野の酒のこと |
| By いえてぃ |
僕はクライアントがいる都合上、よく松本、長野に行く。長野県は知っている人は知っているが、知らない人は全く知らない銘酒の国なのである。北には、新潟県と福島県。西には富山県・福井県と、銘酒を産する国々に囲まれている。全国区の酒では「真澄」が有名だけれど、地元の飲食店で食事をすると色々とおいしいお酒に出会える。長野の酒は東北の酒に較べればドライで、一番近いのは富山の酒かもしれない。ただ、非常にドライな富山や福井、つまり越中・越前の酒より酸味はやや強く、甘みもほんの少しだけ多くなる。酒精度は新潟より弱いが、越中越前のお酒より強く感じる。まとめると下のような感じだけど、これはあくまでざっくりした感想で、銘柄や造り方によって、かなり左右はされる。ただ、概して、新潟と越中越前の酒は酒としてのコクというか強さはしっかりあるが、味は淡麗。長野のお酒は、それに較べて、甘みと麹香が強くなっており、宮城のお酒と結構似ている感じがする。
濃 厚 ← → 淡 泊
酸味:東北の酒>>>長野の酒>新潟の酒>越中越前の酒
甘み:東北の酒>>>長野の酒>新潟の酒>越中越前の酒
酒精度:新潟の酒>東北の酒>長野の酒>越中越前の酒
麹臭さ:東北の酒>>長野の酒>新潟の酒>越中越前の酒
僕の大好きな株式会社田中屋酒造店「水尾」(飯山市)や、合資会社 宮島酒店「天墜(てんおつ)」(伊那市)なんて、きりっとしながらも酸味と麹臭さの存在感がある酒なのだ。以前、田中酒造屋酒造店さんに、仙台の販売代理店を尋ねたら、「小さな酒蔵で限られた量しか造ってませんので、県外には出していないんです」と丁寧に答えてくれた。金紋錦を使った「水尾」の特別純米は好きだなぁ。水尾は飯山なので峠を越えると上越で、新潟の影響が強いのかと思いきや、結構東北の酒のように濃厚系の味なのである。
「天墜」特別純米生原酒は、松本の蕎麦屋「蕎路清(そじせい)」に寄ると必ず頼む。天墜の酒蔵・宮島酒店さんは、減農薬や防腐剤無添加など様々なこだわりをもっているし、水尾の田中屋酒造店さんも、酸化を防ぐ為に冷蔵設備のある小さなタンクの導入など「旨味」の維持に細かな神経を使っているのだ。
また、本醸造酒もまだまだおいしい銘柄がたくさんある。酒蔵が多いので、ほんの一例だが、下諏訪の御湖鶴(みこづる)や、「神渡(みわたり)」なんて、淡麗でいながら昔親父が飲んでいた酒のような、日本酒らしさに溢れている。特に僕が好きなのは、佐久の武重本家酒造醸造の「御園竹(みそのたけ)」である。JR長野駅前西口正面にある「油屋」というそば屋に置いてある。ロックグラスつるつるいっぱい(福井弁ですり切りいっぱいのこと)で360円。シャキシャキになるくらい冷やされた長野の更級といっしょに「くいっ」とやると、とくに気温が上がり、比較的湿気の低いこの時期には堪らない喉越しと清涼感が満喫できる。「御園竹」は本醸造酒だけど、山廃造りの原酒を4割ほど入れているらしい。本醸造酒の身上はその飲みやすさ、杯を重ねても飽きが来ない淡泊さだが、それに旨味がプラスされると申し分ない。飲んべえがじっくり飲むも良し、蕎麦や天ぷら、丼物を食べながら食中酒として飲むも良し。長野の酒蔵は酒飲みをよく知っている。酒蔵は酒をしっているだけではだめだ。酒飲みを知らなければ長続きする酒は造れないのではないか・・等と言うと、日本酒のプロ達から非難囂々となりそうなのでやめておくが・・。
長野の本醸造は、昔、秋田の十文字町の酒屋で買った「舘ノ井」の本醸造を思い出させるすな。あれは本当に旨かった。
と言うことで、東北、宮城の日本酒から脱線したけれど、長野のお酒は東北に通じる味、香りがあり、東北の酒造りとの関係は、杜氏さんの系列に詳しい方に蘊蓄を任せるとして、その味に興味がある方は、機会が有れば是非とも試してみて頂きたい。
(おわり) |
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