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【出会うシリーズ】
「郡山へんたい倶楽部」から「東ケト会仙台支部」までの活動の記録。
第1部 「川に出会う 」 |
2006.06.05(mon) |
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その(2) 広瀬川逆上のはじまり
(郡山へんたい倶楽部編)
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二軒つながりの一戸建て、ボロだが住み心地のよい長屋に男3人住い。
そのほか居候氏や犬やネコや来客がおり、蛇やガマなど闖入者もある。
さらに動くバイク、動かないバイク、自転車。
軽トラック、普通トラックや乗用車など様々なモノが、
これでもかというほど軒の下や敷地内に乱雑に並べられている。
これでも一応町内会ではないか。
それなら何か町名なり、呼び名をつけようという相談になった。
「バカ4人でバカ衆宿はどうか」
「それはあまりリアルに過ぎる」
「ふむ、ふむ、さすればいかが、か」と、一人がある提案をする。
ということで以後
『郡山へんたい倶楽部』と名乗ることになった。
三人と来客あわせて四人は、ある日突然、目の前の川をこのまま上流に向かって遡上しようではないかということになり、そのまま川岸を移動しはじめた。
いきなりそうなってしまったので全く何の用意もない。例えば靴は。ズック靴、サンダル、革靴、そしてズック靴という出立ちである。また服装はTシャツにジーンズ、半そでのカッターシャツに短パンなど。一人だけ米軍のお下がり軍パンにTシャツだった。
あと装備といえば、胸ポケットにタバコと100円ライター、そして財布にはわずかな小銭のみというぐあい。
なぜそうなったのか誰も疑問に思わない。颱風の夜もそうだったが、いつも何かを行うときは"突然"に"そのままの状態"で"いきなり"
動き出す。
歩き出した側の岸をどこまでものぼることにした。
理由がある。向こう岸に渉れるほど、川は浅くもなく、狭くもなかったのだ。
橋の下をくぐり、浅瀬を見つけて渡り、すたこらどこまでも行く。
土手ぎわ、草むらの中、コンクリートの護岸、砂の岸、玉石の岸、泥の岸をペタペタ歩く。
ズック靴も革靴も、もう見分けなんかつかない。サンダルは水陸両用だから比較的影響も少ないが、かわりに素足とサンダルが泥で見分けのつかない状態となった。
とうとう来るところまできた。
誰もがここに、この断崖があることは分かっていた。分かっていたのに辿り着き、やはり分かっていたのに、その垂直の崖に取り付くこととなった。
向こう岸は高級住宅の立ち並ぶいわゆる"お屋敷町"で、じいさまや子どもがのんびり散歩し遊ぶ、陽当たりの良い場所である。
で、こちら側は陽の当たらない、逃げようのない砂岩質垂直壁である。
この崖をトラバース開始。足を掛け、手をのばし、やっと両手指先の第1〜第2関節分の確保ができる。
そこを四人の若衆がクモの横歩きさながら、モジモジずるずると分速20cmくらいで動いて行く。
対岸の高級住宅地昼下がり少しあくびぎみのマダムがこの生き物たちを見たら即、PTAや所轄警察および消防署や、中には自衛隊の出動を訴えるかもしれなかった。しかし、事実は何ごともないまま、時間だけが過ぎていった。川面までは1〜1.5メートルほど。落ちれば深い深い淵になっている。
先頭の一人が「面倒だ!!」と叫び、そのまま川にずり落ちた。同時に残る三人も、同じ格好で川に落ちた。
ある意図があって水に入ることを『飛び込む』という。その意図も作意も何もなく水に入ることを俗に『落ちる』あるいは『おっこちる』というが、この場合、何と呼べばよいか明らかではない。
見た目は落っこちたのだが、当人たちは意図して水に入ったのだ。
しかし理由は「めんどう」だったということなので、やはりこの場合「おっこちた」というのが正しいのかも知れない。
あとは憑き物が落ちたように、全員ワンコロ泳ぎで高級住宅のある岸へ渡った。
真夏の本当にくそ暑い午後1時前ころの出来事だった。
by ワンコ
※:当文章の無断転載や引用を禁止します。
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