![]() |
第1回の広瀬川逆上から3年後。 今回は、別メンバーを召集し継続が決定された。 メンバーは東ケト会仙台支部。 以下は当時の計画と参加呼び掛けチラシの文章である。 東ケト会仙台支部イベント計画 「広瀬川徒歩の逆上」 なんか、キビシイ言葉使いになってしまいましたが何のことはない『広瀬川を歩いて遡りましょうそして歩き疲れてお月さまが出たら河原で焚き火をしておいしいもの(腹が減ってればなんでもうまいのだ)を喰って火の出るほど酒を飲んで愛子(あやし)の熊もついでに浮かれ出てきたらいっしょに唄でもうたおうと声を掛けてできれば肩を組んでワーワー騒いでそんでもって騒いでも谷底だから誰にもヒンシュクをかわずにイイ気持ちになって仙山線で帰ってきましょうよ』という企画なのです。 仙台は大都会だけどやっぱし偉大な田舎でありますので「都会のストレス!」などと大声で叫び蒼い月を見上げて涙に暮れるなどカッコつけなくとも大冒険できるんであります。 ちなみに第1回広瀬川徒歩の逆上は約3年前のある夏の日に決行されました。大黄河でも大アマゾンでもない単なる広瀬川。というコンセプトに私たち『郡山へんたい倶楽部』一同は、いたく感動したのであります。どーだ天下のNHKでもここまで安直な企画はできないだろー。という考えにワタクシドモはうち震え発作的に広瀬川上流を目指したのです。 霊屋下の絶壁をトラバースして撃沈1名。残りも以下同文となり、霊屋橋の下を今日も広瀬川は流れるのですがビショビショ濡れネズミの御一行さまはほとんど止めようのない笑いが充満しておりました。 今回の第2回「広瀬川徒歩の逆上」は、前回の終了地点「八幡町スケートセンター向かい」から始めます。そして上流へトホトホと逆上します。目指すのは熊ヶ根鉄橋下あたりですが果たしてそこまで行けるかどうか分かりません。行ける所まで行く。宴会の時間が来たらそこで止め、宴会の準備にかかる。このいいかげんなノリでゆきます。 ストイックさの片鱗もないイベントに賛成の方は元気にハーイと手をあげて参加してください。ただし参加資格は大変に厳しいです。まず「うまい酒をど〜しても呑みてぇ〜」と日頃から熱望していること。次に「大儀名分や下心」を持ち込まないこと。「運動不足と神経性胃炎に悩んではいるがオモシロイことにはまじゃりたい」という欲求が強いこと。最後に「カッコ悪い」のを気にしないこと。 以上のような厳しい条件をクリアできる人はご参加ください。もちろんこの会は参加者の生命や身の安全を保証する何ものもありません。『自分の安全はテメーで守る』が唯一の規則ですから。 日時:7月26日(日)朝9時集合 集合場所: 未 装備:歩ける服装と靴・お金 その他必要とおもわれるものたち EX 水と水筒 コッフェル(宴会用) 食物は現地調達可能だが・・。 東ケト会仙台支部 支部長 で結局、集合場所は宮城県美術館前庭。 意気込みに反してかなり上品な場所となる。 メンバーには、行動中の飲水は極力控えること。 また、行動食もほんとに少しだけだぞと、当日朝訓令を発した。 メンバーの装備は...。残念ながらやはり緊張感に乏しい。 いっぽう、各自揃えた「宴会用飲料物」(アルコール度数の高いもの)だけはいやにものものしいのが気掛かりだった。 何しろ、大量のビールとマイヤーズラムの大壜(何と1ャ!)、ウイスキー。 それに適当な食料等々を各自デイパックに詰め込み、出発。 まず、県美から移動して牛越橋をわたり、八幡町はずれの国道から崖下を流れる広瀬川に降りる。 降りたのはいいが深い淵で前に進めず、朝一番で泳ぐことになる。 ここでメンバーに早くも 「いぎなり泳ぐの?」との声。 「行げぇ〜。仕方ないべ」 先頭がみずから水に入る。 ちゃんと用心のため救命用ロープを誰かが持ってきていた。感心・感心。 そのロープを対岸に渡して残りメンバーが渡河する。 深い川を泳いでしまうとけっこうあとは、皆上機嫌で軽快な行動になる。 というよりも朝ボケが思ったより冷たい川水の洗礼で、脳みそも体もしゃきっとしただけなのだが。 向こう側、ゴーロぎみの岸辺に渡ってみたものの、すぐ行き止まりとなり、再び水の中を渡る。こうやって最初の1時間くらいは、川中の大石にまとわりついてきゃっきゃ、きゃっきゃ騒ぐバカカッパのような4名の男どもだった。 「川を歩く」という行動はいささか無理。 というのは広瀬川が広い河原を見せるのは、この取り付きから下流なのだ。したがって我々がこれから向かって行く川筋は全て急流となり、両岸はワイルドな岩場や大石で囲まれている。ほとんど泳ぎと石登り、石下りをくり返して行くという状態がつづいた。 晴天で気温はどんどん上昇しているが、水の中と石の上の甲羅干しをくりかえしているので、あまり汗を意識しないですむ。 やがて葛岡霊園下の急な曲がりに出た。そこは護岸工事の真っ最中で、これまで楽しんできた「自然いっぱいの川」とはまるで異質な、むごたらしい景色になっていた。 「こっから先、ずっとこのままが?」 「ずっと向ごうまでコンクリート護岸だな」 「おもせぐねぇな」 がっかりして我々は国道48号線に上がることにした。 東北自動車道の高架下をくぐり道路わきを歩いて行く。楽にすたこら歩けるのだが、なんだがいづい(宮城の方言:居心地が悪い様子を意味する)。 川にかかる橋を見つけるたびに、ここは降りられるか、歩けるかを確認しながら川沿いの道を歩く。水からあがったカッパは頭の皿が乾く。その通り喉が渇き始めた。もう昼すぎだ。一旦川を離れ、コンビニなど店に立ち寄って、冷たい飲み物と昼食をとることにした。 「皆の衆、飲料は最低限にしたまえ」 「昼めしも、大量にとってはイケナイ」 「ナゼナラ、空腹ほど最高のゴチソーはないのだから」 「そ、そこのキミィ。イカンよ、いまからビールなどのんだら...」 「まっ、この天気であるからして、少しは飲んでもよいが」 隊長の訓示を隊員はしっかり聞き、各自すきな場所で昼食&休憩に入った。 午後もかんかん照りは続き、あいかわらず我々は川ぞいの道を歩き、時々川へ降りてはまた上った。しかし、落合をすぎるころから川相は悪くなり、両岸はブッシュでおおわれ、その間を深い川が流れている。 「ゴムボートでもあればなぁ」と愚痴る。 落合の住宅地裏をさまよい広瀬川の姿をひろいながら歩く。 普通の住宅の裏に竹林があり、すぐ下を山水画のように川がながれている。 広瀬川にはこういう風景もあるのだ、などと感じ入ってしまった。 が、隊員たちはなんだかフラフラしている。これは日射病か。 そこで安全を考慮し、 「随分歩いてきた。しかし目的地、熊ヶ根はまだ遠い。川に降りて進むにはボートが必要というあんばいだ。体力もそろそろショートしているような感じもする。そこで、本日のメインイベント会場をそろそろ探そうではないか」と隊長が提案。 「うっす!」 「おーす」 「うぃ〜す」 なんだか本当にメンバーはよれているような気がする。暑さのせいだ。 一旦国道に出て、対岸にわたる適当な橋を探す。 鳴合橋をわたり、河鹿荘という旅館の建つ場所から広瀬川へおりた。 橋から眺めると上流は断崖の落ち込む峡谷状になっており、我々は下流側の岸辺に出て、宴会に都合のよい、気持ちのいい場所を探した。 東側の崖に西陽があたり、だんだん上のほうだけ陽が当たるようになってきた。 「よーし、ここにしよう」 上空は明るいが、谷底はもううっすら陰ってきている。 宴会開始。 手間をかけないように酒の肴は缶詰め。明治屋から買ってきたオイルサーディンやソーセージ、サラミ、フランスパン。etc...。 まず、ビールで乾杯。 あっという間になくなる。 全員オイルサーディンを油ごとパンにつけ引きちぎるように喰った。物凄いいきおいでがばっと喰い、ほぼ噛まずに飲み込む。油に飢えているのだ。 サラミを切るなどおこがましく、薄紙はがしてかぶりつく。 あっという間になくなる。 さて、いよいよマイヤーズ・ラムの大壜を出し、各自のコッフェルに満たして乾杯。 ゴクッ! うっめ〜!。 一息で飲み干す。 喉をすーっと通り、胃にすーっと染みて行く。 もう一杯くれ! 「?...」 「ない!?」 「ないわきゃないよね。Uくん」 「ない」 じゃあ、ビールは。 「ないの」 食い物も全てな〜し!! さっき座って始まったばかりの宴会はこうしてすぐ終わった。 仙山線で帰るのではなく、バスで帰路につく。 何故あれだけ持ってきたビールがすぐなくなったのか。 マイヤーズ・ラムの大壜をたった1杯呑んで終わりなのか。 車中、隊長は考え込んだ。 だが、月が見えたのでやめた。 全然酔いもせず、仙台駅前に到着。 「おいらはまだようておらへんよってに、居酒屋によっていかへんか」 全員意義なし。駅前のデパート裏にある居酒屋でもう一度宴会を開いた。 そのあとの記憶が、ない。ないったら、ない。 すっぱり、消えてしまった。 了 後日談。(しかもごくごく最近!!) 参加隊員の一人が、うれしそうにこんな話をしてくれた。 「あの時ね、もう一本ラム酒を持って行ったんだ。それからウイスキーも。そんで途中、途中、ちびちびみんなでやってさ、宴会場についたら、もうほとんどでぎあがってだんだね。あっ、あとビールは水がわりだから、まっ先にねぐなったのっしゃ」だと。 隊長だけが真面目に隊長の訓示を守っていたのか。 まったぐ、あいづら。酒バガども。 おわり ● 「出会うシリーズ」川・猿・月の全9編におつき合いいただきありがとうございます。当時のメモや記録と記憶を頼りに、書き起こしたものですが、実際に参加した連中は、もっと違う場面の記憶があるのではないでしょうか。 上記の「広瀬川徒歩の逆上」もけっこうところどころ記憶があいまいですし、隊長をつとめた私ですら、背後で隊員どもが何をやっていたか知らなかったのですから。 ● さて、この続きはまだあります。が、それで本当の最終回となります。 いつ仕上がるかわかりませんが、もしよろしければ最終回もお楽しみください。 by ワンコ ※当文章の無断転載や引用を禁止します。 |
|
||||||||||||
All
contents (C) copyright 2004. TOHOKU "SAKE" SIDE STREET. Japan |