仙台市内の酒造会社の蔵元が昭和8年(1933)の酒造結果
を記したメモから、今回は米1石=140kg、酒1石=180リットル当りのコストと酒税について見てみる。
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米品種
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備前米
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播州米
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酒の華
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地米上米
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地米
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1石の単価
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32円
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24円50銭
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24円50銭
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22円
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20円20銭
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酒種別
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四段酒
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大吟酒
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大吟ノ二
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名酒
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並酒
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原材料費
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17円35銭
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43円
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25円50銭
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19円72銭
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18円04銭
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酒税
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40円
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40円
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40円
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40円
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40円
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原料米の価格は備前米と地米の価格差が1.6倍、
備前米と酒の華の価格差が1.3倍である。
これを今日の兵庫県の「山田錦」と宮城県の「蔵の華」、
それに宮城県の「トヨニシキ」と比較すると、
ここ数年間の60キログラム当りの平均価格が山田錦33,000円、
蔵の華21,000円、トヨニシキ18,000円であるから、
今日の格差は山田錦とトヨニシキで1.8倍、
山田錦と蔵の華で1.57倍となり、
やや山田錦の価格が突出しているものの、
昭和8年と今日で原料米には極端に大きな価格格差は
ついていないことがわかる。
次に酒種別ごとの原材料費の比較では、
原料米の価格差に加え精米歩合の違いによって
使用する玄米の量が大きく変わってくる。
昭和8年には今日より普通酒の精米歩合がはるかに低く、
その分高級酒の原材料費が高くなる傾向にあるはずだが、
大吟酒と四段酒の差は2.48倍である。
小売価格での差で考えると、平成16年5月現在の宮城県の消費者物価統計での清酒(上撰1.8リットル)が1,641円であるから、
大吟醸酒がその2.48倍すなわち4,069円なら釣り合う価格ということになる。
実際には今日の大吟醸酒は精米歩合が35%前後にまで上がっている一方で、
今は米が過剰気味で割安になっていること、
人件費や流通コストなどのその他の経費が増えているなど別の要因が大きく、原材料費の単純比較はあまり意味がない。
しかしもう一つのコスト、酒税の持つ意味は重要であった。
昭和8年の醸造日誌では酒税が一石あたり40円であったことがわかる。
これは原酒(アルコール度数20度)180リットル当りであり、
アルコール度数15度換算では30円に相当する。
一方現在の酒税は平成4年の級別廃止時でアルコール度数15度で
1リットル当り140円、一石(180リットル)では25,200円となる。
消費者物価で比較をすると、清酒1.8リットルは現在1,641円である。
昭和8年は『値段史年表』(1988、朝日新聞社)によると
「清酒並等酒1.8リットル1円」であったという。
格差は1641倍である。
これを適用すると当時の酒税30円は49,230円に相当する。
現在の税額25,200円のほぼ2倍である。
清酒の製造コストが現在と相対的にあまり変わらないのに、
酒税が2倍になっているのは、まさに酒税の本質を示していると言える。
昭和8年は前述したように日本が中国大陸での戦争に
足を踏み込んでいった時期である。
つまり戦費調達のために誕生した酒税は、
戦争の足音が近づいてくるとどんどん上がって行く宿命にあり、
国税である酒税は戦争とともに「酷税」となることを、
この数字は物語っているのである。
(その6 了) |
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