ふだん忙しい忙しい奥州屋さんに待ちに待った夏休みがやって来た。
さあ、出かけるぞ、花のお江戸だ〜。
大好きなカップ酒を片手に・・・、いや両手にして。が待て、待て。
お土産が足りない、一本足りない。あきらめるわけには行かぬのだ。
お江戸めぐりの始まりは、なんと塩竈からスタート。

奥州屋お江戸にのぼる
 カップ酒探検!
 その1 ―塩釜編―。

8月13日(土) うす曇り時々にわか雨のち晴れ

いよいよ今日の夜の仕事が終われば16日まで、待ちに待った夏休みだ。 明日14日から15日の2日間は、久しぶりにお江戸へ上ろうかと思っているのだが。目的は大泉学園にある“BAR・レモン・ハート”へ行くことのみ。あとは別 にこれといった目的はないのだ。あっ、せっかくだからカップ酒探検でもしてくるかな・・・。
 でも、その前にお江戸を案内してくれる私の大師匠と姉弟子への土産を用意しなくては。土産は私らしく、やはりカップ酒だろう。実はちゃんと用意してあるのだ。いや、用意していたのだ・・・。
ところがなんと・・・1本足りないことに昨夜、気づいた。
“於茂多加男山の本醸造カップ”が、ない。実は数日前、酒を切らしたおりに、つい手をつけてしまったのだ。(大師匠、あねさん、ごめんなさい)。
 仙台駅のワインブティック・ミディに行けばいつだって買える。問題ないじゃないか。が、しかし、これがそもそものカップ酒探検への旅の序曲になろうとは・・・。

 店に着いて私は目の前が真っ暗になった。ないのだ。
代わりに目にしたものは“四季の松島本醸造カップ”だった。
同じ蔵のお酒だからいいじゃないか。一瞬、そんな邪な考えが頭をよぎった。 ふと視線を横にずらすと「はじめまして!」と言わんばかりに
“麒麟山伝辛カップ”が立っているじゃないか。と、その隣に目を移すと今度は「お久しぶり!」と“大七ハイセブン”が声をかけているではないか。
私は、よしっ、とうなずき(なにがよしなのか)ここは初顔の伝辛カップを自分用に買って、ひとまず店を出た。
 しかし諦めたわけではない。私はその足でJR仙石線青葉通り駅へ向かった。 於茂多加男山のある塩釜へ向かったのだ。本塩釜駅で下車、まずは駅前のジヤスコ酒売り場へ。残念ながら本命はない。あったのは月桂冠ミニカップ、月カップのみだ。続いて並びのやまやだ。う〜ん、やはり月桂冠月カップと低価格の“おにころし”みたいなカップ酒だ。このカップ酒のラベルには少しひかれたが、本命ではないのでパス。あとはこれと思い当たる店が駅前にはないので、目についた所をかたっぱしから入ってみることにした。
 “酒”と書いてある雑貨屋のような果物屋には申し訳なさそうな冷蔵庫に
大関のワンカップのみ。酒屋のような八百屋には月桂冠の月カップといったようにどこにも地酒である於茂多加は見当たらないのだ。
仕方ない。あの店へ行こう。最悪の場合は近くに“蔵”(於茂多加)もあるし。
そう思いながら、足はいつもの道とは別のほうへ向かっていた。方角的にはそんなに違いがないからいいか。そんなことを考えながら商店の立ち並ぶほうへと歩いていった。途中、浦霞さんの蔵の前を通る。
 表から見たのは初めてだ。そこから左の方へ曲がって歩いていくと、吉田酒肉店という肉屋さんがあった。なかなかレトロな味わいのあるお店である。いったい酒はどこにあるのか?店の前を行ったり来たりすること数回。はたから見ればかなり怪しい。とそのとき、入り口左の棚にカップ酒発見!少し近づいてみる。“両関盃カップのグリーンラベル”ともうひとつは、なんと、初めて見るラベルだぁ!後光がさしているようだ。思わず手を合わせたくなる。
 その名も“本醸造・豊穣しおがま”(写真1)だ。



そのまま塩釜産のお神酒にでもなりそうな、なんとも気品のある姿ではないか、と私は思うのだが。ちなみに醸造元は、あの福釜を作っていた麹屋酒造店さんだが、最近の宮城の蔵元ガイドにはなぜか、この麹屋さんはでていないのだ。なぜだ。東京のおじさんこと敏さんに聞けばわかるだろうか。今度、聞いてみるか。
とにかく自分用に1本買った。
 少々不安になったので、店の人に本線の塩釜駅までの行き方を教えてもらった。歩いていくと佐浦町郵便局があった。この佐浦町って、あの浦霞の佐浦さんの名が町名になったのだろうか。これも東京のおじさんに聞いてみるか。
 途中、手打ちうどん・そばと書かれた店を発見。“うどん”が先に来ているからうどんがうまいのだろうか?などとくだらないことを考えながら歩いていくと塩釜駅が見えてきた。するともう一軒、手打ち蕎麦の店を発見!かなりひかれるが、次回の楽しみとする。
 さて塩釜駅を前方に見ながら右折し、例の店へ向かう。はじめはゆるい上り坂。坂を下りはじめた所で、例の店が見えてきた(写真2)。



男山という文字が見えると思うのだが蔵ではない。その店は、私がひとりで花見をするときに於茂多加カップを購入するリカーセラー阿部。だが少し様子がおかしい。盆で休業なのか、まさか店をやめてしまったのか・・・。などと考えながら、足は数メートル先の本家本元を目指していた。そしてたどりついた私が目にしたものは・・・(写真3)。



な、なんと、あえて遠回りして、やっとたどりついた本家本元・阿部勘さんはお盆休み。
 さらに目を右前方に向けると、さっき私が出発した本塩釜駅が見えるではないか。目的が達成されていないせいか、どっと疲れてしまった。が、おいしそうな蕎麦屋と何より“しおがま”カップを発見できたことがせめてもの救いだろう。
 さあ、気をとりなおしてもうひと頑張り。本線塩釜駅前のヨークベニマルもチェックしなくては。いま来た道を引き返す。いざベニマルへ。あるぞ、あるぞ。カップ酒だ。いやいや、ここもやはり大手のカップ酒ばかりか・・・と諦めかけていたとき、ひとつ見つけたぞ!(おいおい於茂多加はどうした?)“新潟の酒白瀧吟醸しぼりたて生酒(写真4)”だ。これを1本、自分用に買った。



 帰り、駅の売店をのぞいたが於茂多加はなく、仙台駅のワインブティック・ミディで、大七ハイセブンを土産に買ったのは言うまでもない。
 さて明日は、いよいよお江戸へ上るのだ。とりあえず、仕事、頑張ろう!                              つづく。
〈1〉クリスマス料理に合う日本酒ってありますか。

〈2〉いろいろなお酒があって、どんなお酒を飲んだらよいか、わかりません。

〈3〉ワンカップ片手に利酒師は行く

〈4〉こんな季節にスキッと飲む日本酒ってありますか?

(5) 暑気払いに手軽で楽しいお料理とお酒ってありますか。


奥州屋お江戸にのぼる
カップ酒探検!

その1 ―塩釜編―

その2 ―花のお江戸の夜はレモンハートで―


その3 ―ああ、波乱万丈のワンカップ探検! おっと地震だあっ― 最終編。


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